標本の詳細サイト
哺乳類(綱)・束柱類(目)
Desmostylus hesperus
デスモスチルス ヘスペルス
     



 標本No.2018060104 咬柱配置図
 この標本は、デスモスチルス ヘスペルスの子供の上顎右側の第1大臼歯と思われる。
 アメリカ、カリフォルニア州、Fresno County、Coalinga、から産出した標本で、貝殻片
 化石が密集した砂岩の母岩に含まれている。
 新生代新第三紀中新世に堆積した、「Temblor Formation」という地層から産出した。
 2018年6月に、第31回東京国際ミネラルフェア(新宿ショー)で、George Heslep
  Fossilsから購入した標本である。
 標本の大きさは、
 歯冠長=36.8mm、歯冠幅=26.5mm、歯冠高=34.9mm、歯根末端からの高さ=42.7mm
 歯根との境界および歯根末端が不明瞭で、歯冠高および歯根末端からの高さは、不正確
 である。
 歯冠高が歯冠長の割に(歯冠高/歯冠長が、0.95。標本No.98121104が、0.43)高く、
 咬耗が進んでおらず、特に近心舌側端は、ほとんど削られていない。歯冠長も大人の
 大臼歯の66%である。よって、子供の萌出直後の、第1大臼歯の可能性が高い。
 ちなみに、上顎第4小臼歯の歯冠長は、第1大臼歯の43%である。
撮影面
歯冠表面 歯冠舌(内)側面 歯冠頬(唇)側面 歯冠近心(前)面 歯冠遠心(後)面
所蔵画像
詳細
最上段の3つの咬柱、前タロン
(anterior talon)である。前
タロンは咬耗がほとんどない。
大きさと咬耗の進み具合から、
萌出したての第1大臼歯と判
断した。
手前中央の高い咬柱が、原錐
(protocone)。その左の咬柱が、
次錐(hypocone)である。右端
は、前タロンである。
左端手前から右へ順に咬柱が、
前タロン、旁錐(paracone)、
後錐(metacone)と並ぶ。右端
の咬柱は、後タロン(posterior
talon)である。
手前の3つの咬柱、前タロン
(posterior talon)である。
左端の奥の高い咬柱が、原錐。
その右が、旁錐(paracone)で
る。
手前の低い2つの咬柱が、後タ
ロン(posterior talon)である。
手前右端から奥へ順に、次錐、
原錐と並び、手前左端から奥
へ順に後タロン、後錐、旁錐
(paracone)と並ぶ。


 デスモスチルスの全身骨格標本
                    
KETON specimen
気屯標本
1933年
サハリン、気屯
本斗層群内幌内夾炭層
1700~1600万年前
ほぼ全身骨格
北海道大学総合博物館
1933年、当時日本領であった南
樺太(サハリン州)敷香町気屯の
初雪沢河床から、世界で初めて
1個体分の全身骨格が発見され
た。2年かけて発掘し、北海道
大学でクリーニングが行われ、
デスモスチルス ミヤビリス
と名付けられた。しかし、アメ
リカのヘスペルスと同じ種と言
われている。全長2.8m。
UTANOBORI 1 specimen
歌登第一標本
1977年
北海道枝幸町歌登
タチカラウシナイ層
1400万年前
頭骨を含む全身部
産業技術総合研究所・
地質標本館
北海道枝幸町歌登、上徳志別の
徳志別川河床から、1個体分の
全身骨格が発見された。あお向
けに埋没しており、頭骨を含む
66%の全身部の骨格標本だった。
発掘するのに1977年から2年要
した。体長1.7m、子供の標本と
考えられる。


 デスモスチルスの頭部骨格標本
 
標本名
瑞浪標本 歌登第1標本 歌登第3標本 標本 標本
画像1
画像2
詳細
1898年、岐阜県瑞浪市明世町戸狩、棒ヶ洞
から、後部の1/3が欠如した頭骨が発見
された。前期中新世後期の今から約1800
万年前の瑞浪層群山野内層からであった。
1888年に、マーシュ博士が、デスモスチル
ス ヤポニクス(Desmostylus japonicus)
と命名した。画像2は画像1をクリーニングし
たものである。
1977年、北海道枝幸市歌登、上徳志別
の徳志別川河床から、あお向けに埋没し
た全身骨格が発見された。第1標本
の頭骨は、ほぼ完全に保存されていた。

1977年、北海道枝幸市歌登、上徳志別
の徳志別川河床から、ばらばらの部分
骨格が次々と発見された。第3標本
は、頭骨を含む各部の骨格の標本だ
った。同一個体のものと言われている。
第1標本同様、若い個体である。
全長48cm。

 

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