展示標本のサイト
哺乳綱・食肉目・クマ下目 鰭脚類・セイウチ科 manmmalia・Carnivora・Arctoidea Pinnipedia・Odobenidae |
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標本データ | 頬(唇)側面 | 舌(内)側面 | 近心(前)側面 | 遠心(後)側面 | 咬合面 | 部位図 | 備 考 |
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標本No.83092301
イマゴタリア 上顎左第2・3前臼歯 Imagotaria sp. 埼玉県東松山市葛袋 第三紀中新世・1500万年前 都幾川層群神戸礫岩層 歯冠長:13mm、 歯冠高:4.5mm、 厚さ:9mm |
1983年、大阪府の田原敬夫氏が葛袋の神 戸礫岩層より採取したものである。1991 年、日本古生物学会報告・紀事に甲能直 樹・長谷川善和博士が報告した論文から 引用している。歯冠高が低い、遠心舌側 に歯帯が発達している。2歯根であり、 原始的な特徴が残り、ネオテリウム(Neo- therium)に類似している。エナリアーク トス(Enaliarctos)からセイウチの系統 に分かれた初期のものと考えられている。 イマゴタリアで、日本最古のものである。 |
東松山市化石と自然の体験館が、2016年4月に開館して以来、種々な化石が産出している。 体験者は、開館以来7年間で7万人ほどであるが、産出した数万個のサメの歯の化石は、稀産 のもの以外、体験者がほとんど持ち帰っている。哺乳類の歯や骨などは、研究上、貴重な化 石として体験館で預かることにしている。預かった化石は、発見者了承のもとHPに掲載され ている。新生代第三紀中新世(1500万年前)の神戸礫岩層産の鰭脚類と思われる化石を上に並 べてみた。全てが鰭脚類のものか断定できないが、たくさん産出するクジラ類の歯とは、明ら かに異なる形状である。この中には、イマゴタリアの歯も含まれていると思われる。ネオテ リウムの化石もあるかもしれない。 画像のマス目は、5mmである。 |
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2010年、島根県邑智郡邑南町高見の新生代第三紀中新世の川合層(1,600万年前) から、セイウチ科の仲間ネオテリウム(Neotherium)の右下顎の一部が発見された。 ネオテリウムは、原始的なセイウチで、体長は、1.8~2.2mぐらいと小型だったと される。セイウチ科として日本最古の化石であり、最南端の記録である。 |
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福島県喜多方市高郷町の新生代第三紀中新世の塩坪層(1,000万年~900 万年前)から、絶滅した古代セイウチ類のイマゴタリア(Imagotaria)の 上顎、上腕骨などの化石が多数産出している。 |
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1990年、新潟県東頸城郡大島村の新生代第三紀鮮新世(約490万年前)の 田麦川累層下部から古代セイウチ類の 頭骨が発見されている。古代セイ ウチ類のイマゴタリアから、オントケトゥスに至る途中の化石と推定され ている。 |
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上の図の上、1967年、長野市信州新町菅沼の新生代第三紀鮮新世(約450 万年前)の大久保層から、古代セイウチ類のオントケトゥス(Ontocetus) の頭骨(頭蓋左側)が発見されている。上の図の下、1995年、長野市中条 の裏沢(うらのさわ)の新生代第三紀鮮新世(約420万年前)の城下層(じょ うしたそう)から、古代セイウチ類のオントケトゥス(Ontocetus)の頭骨 全体が発見されている。 |
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上の図は、中新世の古代セイウチ類から現生の一属一種のみのオドベヌスまでの主要な頭骨を示したものである。 実線部分が発見された化石の部分で、破線は、未発見の部分を補ったものである。 セイウチ科は、中新世のうちに北太平洋で多様性を遂げたが、鮮新世に入ると衰退を始め、更新世にはわずか2 属しか確認できなくなった。セイウチ科の最大の特徴である「牙」は、時代が古い属ほど短く、新しい属ほど大 きく長く伸びていることがわかる。オントケトゥスは、まだ前歯を使って獲物をくわえるように捕食していた名 残りがある。現生セイウチは、海底の砂や泥を鼻先で掘りながら貝などを吸い込むようにして食べているので、 不必要な門歯(前歯)が退化したと思われる。 |
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