展示標本のサイト
哺乳綱・長鼻目・
ゾウ科・パレオロクソドン属

manmmalia ・ Proboscidea ・
Elephantidae・Palaeoloxodon
     



展示標本の紹介

       
標本データ 前面 後面 外側面 内側面 上端面 下端面 部位図 備  考
標本No.2003070401
ナウマンゾウ 右上腕骨
Palaeoloxodon naumanni
岡山県 下津井港
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:497mm、幅:184mm、
厚さ:161mm、
重さ:6.7kg
ヤフーオークションで購入。
上部と下部の関節部分付近が、
欠けている。上腕骨の全長の52
%程が残っている。全体が黒光
りし、骨は、金属音がするほど
石化している。表面や内部に現
生のカキやヘビガイがかなり付
着していた。表面の貝殻は除去
した。
       
標本データ 腹側(下)面 背側(上)面 外側面 内側面 前端面 後端面 部位図 備  考
標本No.2004092701
ナウマンゾウ 左切歯(牙)
Palaeoloxodon naumanni
岡山県 瀬戸内海
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:213mm、幅:145mm、
厚さ:112mm、
重さ:2.5kg
ヤフーオークションで購入。
牙の付け根の方は、歯髄腔の穴
が大きく、先端の方の穴は小さ
い。どちらの面も人為的に平坦
に切断してある。自然に背(上)
面が削れ摩滅している。外側面
の曲がり具合から左側の牙と思
われる。穿孔貝の穴などもある
ので、潮間帯あたりで削られた
のかもしれない。
       
標本データ 腹側(下)面 背側(上)面 外側面 内側面 前端面 後端面 部位図 備  考
標本No.2009013001
ナウマンゾウ 左寛骨
Palaeoloxodon naumanni
播磨灘、瀬戸内海
第四紀更新世・20万年前
大阪層群

長さ:417mm、幅:200mm、
厚さ:222mm、
重さ:8.0kg
ヤフーオークションで購入。腸
骨の前中部と座骨大部分、恥骨
の大部分を欠く。(部位図参照)
摩滅が進んでおり、表面に凹凸
が多い。カキ等がかなり付着し
ていたが取り除く。寛骨臼の直
径は、約160mmあり、かなり成
熟した個体のものと考えられる。
       
標本データ 前面 後面 右側面 左側面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2009122302
ナウマンゾウ 胸椎棘突起
Palaeoloxodon naumanni
明石海峡、瀬戸内海
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:214mm、幅:107mm、
厚さ:50mm、
重さ:430g
ヤフーオークションで購入。
胸椎の上に突出する棘突起であ
る。先端部分が欠けている。脊
髄が通る椎孔の上半部の椎弓が
見られ、横突起の手前で両端が
折れている。棘突起の傾きは、
垂直に対し25°である。椎孔の
傾きや長さから、第4・5胸椎の
棘突起と思われる。
       
標本データ 腹側(下)面 背側(上)面 外側面 内側面 前端面 後端面 備  考
標本No.2010013001
ナウマンゾウ 右切歯(牙)
Palaeoloxodon naumanni
香川県丸亀市牛島沖南水深50m
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:306mm、幅:85mm、
厚さ:77mm、
重さ:2.3kg
ヤフーオークションで購入。
切歯(牙)の部分化石である。牙
の前位の先端部分は、内側にね
じれ、急に細くなるが、この標
本は、ほとんどねじれず、先も
急な変化はない。よって、太さ
や曲がり具合から、右側の牙で、
先端より少し後の部分と思われ
る。
       
標本データ 外側面 内側面 前面 後面 上端面 下端面 部位図 備  考
標本No.2010013002
ナウマンゾウ 左尺骨
Palaeoloxodon naumanni
香川県丸亀市牛島沖南水深50m
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:300mm、幅:116mm、
厚さ:48mm、
重さ:710g
ヤフーオークションで購入。
左前足の尺骨の破片である。尺
骨の断面は三角形をしており、
特に、外側面は平坦な面になっ
ている。後側の縁は、鋭角で鋭
い。前側の縁は、やや丸みを帯
びている。骨の厚みがあまりな
く、よく体重を支えられると思
う。三角柱の形で強度を増して
いるのだろう。
       
標本データ 前面 後面 右側面 左側面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2011060101
ナウマンゾウ 胸椎骨
Palaeoloxodon naumanni
香川県坂出市沖
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:214mm、幅:186mm、
厚さ:90mm、
重さ:720g
ヤフーオークションで購入。
海上がりの化石にしては、貝殻
等が付着しない。内部の石化が
進んでおらず、軽い。通常折れ
易い関節突起や横突起が残って
いる。地層から掘り出されたも
のか?北極海周辺の地層から出
るマンモスかもしれない?棘突
起の厚さが薄く、長さも短そう
なので、胸椎の最後位、第18~
20胸椎あたりと思われる。
       
標本データ 前面 後面 右側面 左側面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2012030801
ナウマンゾウ 胸椎骨
Palaeoloxodon naumanni
兵庫県明石海峡大橋の明石寄り
第四紀更新世・30万年前
播磨層群明石累層

長さ:144mm、幅:148mm、
厚さ:80mm、
重さ:1.11Kg
ヤフーオークションで購入。
前後の関節突起、横突起、棘突
起を欠く。椎孔が壊れることが
多いが、保存されている。椎頭
(椎体が凸の方が前で、椎頭と呼
ぶ、凹の方が後で、椎窩と呼ぶ)
の形が、逆五角形で、肋骨窩が
前後とも大きいので、第10あた
りの中位の胸椎と思われる。
       
標本データ 外側面 内側面 前面 後面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2012030802
ナウマンゾウ 右腓骨
Palaeoloxodon naumanni
香川県坂出市沖
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:208mm、幅:74mm、
厚さ:36mm、
重さ:350g
ヤフーオークションで購入。
右腓骨の破片である。下の半球
状にふくらむ外果の付け根部分
と思われる。上部3分の2が欠
けている。外果も欠けている。
外側面が残り、内側面の後部の
一部が残っている。
       
標本データ 前面 後面 外側面 内側面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2013020501
ナウマンゾウ 右大腿骨
Palaeoloxodon naumanni
兵庫県明石市明石海峡大橋付近
第四紀更新世・30万年前
播磨層群明石累層

長さ:483mm、幅:150mm、
厚さ:77mm、
重さ:2.7Kg
ヤフーオークションで購入。
右大腿骨である。上端の大転子
と大腿骨頭を欠く、下端の関節
部分も欠く。中空の骨である。
内部には、貝殻も付着している。
表面は、かなり硬化し、重い。
       
標本データ 前面 後面 右側面 左側面 腹側(下)面 背側(上)面 部位図 備  考
標本No.2014120401
ナウマンゾウ 胸椎骨
Palaeoloxodon naumanni
兵庫県明石市明石海峡大橋付近
第四紀更新世・30万年前
播磨層群明石累層

長さ:243mm、幅:140mm、
厚さ:69mm、
重さ:1.12Kg
ヤフーオークションで購入。
横突起が椎窩のすぐ横から幅広
く出ている。椎頭や椎窩の形が
やや横長の円である。棘突起や
関節突起を欠く。後肋骨窩が大
きく、第1~3胸椎あたりと思わ
れる。黒光りした標本である。
石化がかなり進んであり、やや
小さいので、もしかするとステ
ゴドンかもしれない。
       
標本データ 前面 後面 外側面 内側面 上端面 下端面 部位図 備  考
標本No.2016061601
ナウマンゾウ 左上腕骨
Palaeoloxodon naumanni
香川県高松市屋島付近
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:513mm、幅:176mm、
厚さ:143mm、
重さ:6.6Kg
ヤフーオークションで購入。
上部の関節部分付近が欠け、下
部の関節の一部が残るが、大部
分が欠けている。左上腕骨の
全長の60%程が残っている。表
面や内部にカキなどの貝殻がか
なり付着していた。表面は取り
除いた。骨の表面が剥がれたと
ころもあり、内部の茶色の骨が
見えるところもある。
       
標本データ 外側面 内側面 前面 後面 上端面 下端面 部位図 備  考
標本No.2017060701
ナウマンゾウ 左肩甲骨
Palaeoloxodon naumanni
香川県高松市屋島付近
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:304mm、幅:215mm、
厚さ:87mm、
重さ:1.9Kg
ヤフーオークションで購入。
左肩甲骨の破片である。肩甲棘
の付け根の肩峰が見られる。肩
甲棘は、付け根から折れてない。
上腕骨と接する関節窩も欠けて
いる。上半部や後半部もない。
かなり石化が進んで、黒光りし
ている。
       
標本データ 咬耗(上)面 歯根底(下)面 頬(外)側面 舌(内)側面 前側面 後側面 部位図 備  考
標本No.2018061903
ナウマンゾウ 下顎左第3大臼歯
Palaeoloxodon naumanni
香川県小豆島地蔵埼沖
第四紀更新世・30万年前
大槌島層

長さ:182mm、高さ:135mm、
幅:66mm、
重さ:1.58Kg
ヤフーオークションで購入。
咬耗面が凹み、ラメラが咬耗面
に直角なので下顎の歯である。
前側に続くラメラが剥がれてい
るので、もっと長かったはずで
ある。咬耗面側から見て頬側が
凹むので、左側の歯である。
後側のラメラは咬耗が進んでお
らず。セメント質の充填もまだ
なので、第3大臼歯と思われる。

 瀬戸内海のナウマンゾウ化石
 ナウマンゾウの学名は、パレオロクソドン・ナウマンニ(Palaeloxodon naumanni)で 
 ある。Palaeoloxodonとは、古いアフリカゾウの仲間という意味で、naumanni のナウ
 マンニというのは、日本でゾウの化石をはじめて研究したドイツの地質学者、エドムント・
 ナウマン博士(1854~1927 )の業績を記念して「ナウマンゾウ」と名付けられた。
 ナウマンゾウの特徴は頭の形にあり、横から見ると、四角くやや角張っている。アジアゾウ
 は丸く、アフリカゾウはややとがった三角形である。ナウマンゾウは、額が大きく張り出し、
 前頭頭頂隆起と呼ばれている。大きく曲がってねじれた牙も目立ち、この牙の付け根の部分
 が幅広く、左右に開いている。化石が発見されている場所は、日本と中国の一部に、約180
 ヶ所以上ある。特に、瀬戸内海からは、おびただしい量の化石が見つかっている。当時形成
 された陸成の地層のなかにあったゾウの化石が、洗い出されて海釜(かいふ)と呼ばれる深ま
 りに集められたと考えられている。瀬戸内海では、かつては底引き網を使って魚を捕ってい
 た。このとき、2万年以上前に生きていたナウマンゾウやスイギュウ、シカといった動物の
 化石が網の中に入ることがあった。約8万年前から1万5,000年前まで、地球全体は最終氷
 期にあたり、氷河が発達し、海面の高さは今よりも130mほど低く、日本は大陸と地続きで
 瀬戸内海も陸地だった。陸地だった頃の瀬戸内海は、草原が広がるナウマンゾウにとって楽
 園のような場所だった。海底の起伏をみると、水深約15~20mの広い平らな面があり、そ
 の真ん中辺りに幅約1km、水深50m前後の水路状のくぼみがある。東西方向に長く延びて
 いることから、これが大きな川の跡だと想像できる。この川を流れる水が、紀伊水道と豊後水
 道から太平洋へ流れ出していた。今では瀬戸内海に浮かぶ島々も、当時は平原を見渡せる小
 高い丘の頂上だった。

写真は、札幌の北海道博物館のナウマンゾウ全身骨格。
およそ12万年前に本州から北海道に渡ってきた。
1969(昭和44)に忠類村(現在の幕別町)で、1頭分の
化石が発見された。これは、年を取った個体で、オスで
あると考えられている。
瀬戸内海の海の深さを表す図。西は備讃瀬戸、東は明
石海峡に至る海域の深さ40~50mの海釜(かいふ)に
ナウマンゾウの化石が密集している。明石海峡付近の
海底からステゴドンの化石が見つかっている。

 ナウマンゾウの復元全身骨格。地面から肩までの高さが 1.9m~2.7mで、現在のアジアゾウと同じぐらいか
 一回り小さい程度の大きさである。頭頂部がベレー帽をかぶったようにふくらむ。背中を横から見ると肩と
 腰の部分がやや高い。切歯(牙)は、オスが強く曲がってねじれ、最大直径15cm。メスは、まっすぐで短く、
 直径6cmぐらい。


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