展示標本のサイト
哺乳綱・海牛目・絶滅した科 manmmalia・Sirenia・extinct family |
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日本では、約30か所でカイギュウ類の化石が発見されている。発見地の約20か所は、北海道であり、 ステラーカイギュウと同じ寒冷適応系のカイギュウ類が多い。 |
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1980年に、長崎県西海市崎戸町で見つかった化石が、43年後、肋骨が太いバナナ状であること などから、カイギュウ類と推定された。化石は、漸新世初期の西彼杵層群蛎ノ浦層(約3300万年前) が分布する崎戸島で、長さ、幅ともに約80cmの砂岩に、まとまった形で発見された。カイギュウ類 では、日本最古であることが分かった。 |
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1967年、北海道苫前郡初山別村明里で発見された。ほぼ完全な形で復元されたものとしては、日本 初・最古のカイギュウ化石。小学校の理科準備室で長らく保管され、1990年に研究者によってカ イギュウ類と確認された。漸新世のハリテリウム属(Halitherium)に似ていて、中新世に入り、進 化したメタキテリウム属と判断された。ショサンベツカイギュウ(Metaxytherium sp.)と名付け られた。非常に珍しい、出産直前の胎児を伴う妊娠個体の化石であった。約1100万年前、温暖な 海に棲むカイギュウ類だった。母親約5m、胎児約1.6m。 |
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1978年(昭和53年)、大江町左沢の最上川で、異常渇水のため河床が露出した岩盤で遊んでいた小 学生2人が動物の骨を発見した。山形県立博物館によって発掘調査が行われ、体前半部の骨格がほぼ 完全に揃っていた。中新世後期(1000万年前~800万年前)の本郷層橋上砂岩部層上部から発見され た。山形盆地全体は、海藻が繁る浅い海であった。ヤマガタダイカイギュウ(Dusisiren dewana) と名付けられた。絶滅した、海牛目ジュゴン科ドシシーレン属に分類され、体長は約3.8mと推定さ れている。 |
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1982年に福島県喜多方市高郷町の阿賀川の川岸に分布する塩坪層(1000万年前~900万年前)か ら、カイギュウ類の頭蓋骨や肩甲骨・前腕骨が発見された。アイヅタカサトカイギュウ(Dusisiren takasatensis)と命名された。ヤマガタダイカイギュウより、歯が退化する過程を示している。 |
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1980年8月、北海道滝川市、空知川中洲の鮮新世の幌倉層(約500万年前)から、主要部がほぼ完 全なカイギュウ類の化石骨を発見した。タキカワカイギュウ(Hydrodamalis spissus)と命名す る。体長7m。寒冷な気候に適応したヒドロダマリス属と判断された。 |
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1983年、北海道瀬棚郡今金町で、美利河ダムの建設工事中に、瀬棚層 (120万年前)から現場作業員が肋骨を発見した。翌年発掘調査が行われ、 カイギュウ類の頭部を含む、体の前部1/3の化石を発掘する。この化石 は、調査の結果、ステラーカイギュウの祖先であった。ピリカカイギュウ と名付けられる。推定体長8m、世界最大級のステラーカイギュウである。 美利河地区のピリカ旧石器文化館に隣接する、文化財保管庫で保存・展示 している。 |
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1991年、群馬県安中市下秋間の秋間川の中新世、板鼻層(約1000万年前) から、カイギュウ類の右肩甲骨、胸骨、肋骨、胸椎骨の化石を発見する。 研究の結果、ジュゴン科ハリテリウム亜科のメタキテリウム属に似ている とされた。シモアキマカイギュウと名付ける。 |
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2006年9月、東京都狛江市の多摩川左岸の更新世の飯室累層(約130万年前)から、主要部がほぼ 完全なカイギュウ類の化石が、3m×5mの範囲に分散して見つかった。下顎骨には、歯の退化消失 が見られ、ジュゴン科のステラーカイギュウ(Hydrodamalis cf. giggas)に分類されることがわ かった。体長5mの若い個体であった。ステラーカイギュウは、北極地域のベーリング島周辺にし か生息していなかったが、18世紀後半、乱獲によって絶滅した。寒冷な気候に適応した、ヒドロ ダマリス類が、約130万年前から50万年前ごろまで日本付近に生息していたことがわかった。 |