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哺乳綱・鯨目・ヒゲクジラ(亜目)類
manmmalia・Cetacea・Mysticeti
     



展示標本の種類(部位)

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種類
耳骨(耳周骨・鼓室胞)
periotics・tympanic bulla
その他
 
画像
説明
ハクジラは、下顎窓(下顎内の空洞)につま
った脂肪(音響脂肪)から、耳骨へ音波を伝
えるが、ヒゲクジラには下顎に脂肪がない。
別の経路で、耳骨へ音波を伝えると考えら
れている。クジラの耳骨は、他の部分の骨
が海綿状なのに、緻密で硬く、ヒゲクジラ
では鼓室胞が特に重い。死後、頭骨から外
れやすいために化石として発見されやすい。
クジラの石(cetolith)と呼ばれている。鼓
室胞は、内側にまくれ込んで厚くなるが、
外側は、薄く繊細で耳周骨と骨結合してい
る。ハクジラと異なり、鼓室胞と耳周骨は、
頭蓋骨に結合している。
ヒゲクジラ類の頭骨は、ハクジラと異なり、
伸長した上顎骨は眼窩の下を通り、クジラヒ
ゲの付着部を広げている。そのため「上眼窩
突起」を持たず、エコーロケーション能力は
無い。頭頂が平らで、先端へ伸びて細長い。
上顎には、皮膚が発達したヒゲ板がある。こ
のヒゲ板を使って、オキアミや小魚等の小さ
なエサを大量に濾しとり、食料とする。ヒゲ
クジラの食性は種や生息域によっても異なり、
ヒゲ板の形状もまた食性によってそれぞれ異
なる。コククジラのみ、海底の泥や砂ごと吸
い込み、底生生物だけを濾し取り捕食する。
画像は、秩父市大野原のチチブクジラ頭骨。

最大のヒゲクジラ、シロナガスクジラ
現生種は、ハクジラ類が約70種に対して、ヒゲクジラ類は、14種とかなり
少ない。ヒゲクジラの仲間は、概して体が大きいのが特徴である。シロナ
ガスクジラが、全生物の中で世界最大の生物である。中には全長34mある
とも言われ、発見されている大人のシロナガスクジラも24mから26mある。
体重も170t~190tある。寿命も長いものが多く、ホッキョククジラで150
~200年と言われる。シロナガスクジラは、0~90年、ザトウクジラで45~
50年である。ヒゲクジラ類は、かなり広く回遊する。高緯度海域の摂食域
と低緯度海域の繁殖域の間で大回遊を行う。夏、高緯度海域での摂食で体
脂肪をたくさん蓄える。冬、低緯度の暖かい海域で、交尾、出産、子育て
を行い、この間は、ほとんど摂食しない。蓄えた脂肪を使って過ごす。大
回遊で赤道を越えることはない。



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