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展示標本の紹介

       
標本データ 頬(唇)側面 舌(内)側面 近心(前)側面 遠心(後)側面 咬合面 歯根底面 部位図 備  考
標本No.2016110622
カリフォルニアアシカ
上顎右第4前臼歯(乳歯)

Zalophus californianus
北大平洋東岸、アメリカ?
第四紀完新世・54年前
メス3.5歳の現生標本


高さ:8.9mm、幅:6.7mm、
厚さ:4.7mm、
重さ:0.18g
ヤフーオークションで相模原市のSOさん
より購入。化石ではなく、現生のアシカ
の歯の標本である。水族館長を歴任した
中島将行博士の所蔵品であったとのこと。
メモに「2代チェリーの乳歯、上R4(3.5才
?)、s43.9.18、ヤットコでぬく(小島)、下
の永久歯がもうはえている。」とあり、水
族館で飼育していた幼体の乳歯である。
歯根の途中が折れている。舌側の歯帯が
明瞭である。上顎右第4前臼歯の乳歯で
ある。
       
標本データ 頬(唇)側面 舌(内)側面 近心(前)側面 遠心(後)側面 咬合面 歯根底面 部位図 備  考
標本No.2017111701
トドの上顎左犬歯

Eumetopias jubatus
北大平洋西岸、北海道?
第四紀完新世・10年前
メスの現生標本


高さ:85.5mm、幅:23.5mm、
厚さ:24.2mm、
重さ:42.76g
ヤフーオークションで山口市のHLSさん
より購入。化石ではなく、現生のトドの
歯の標本である。体長2.5mのメスであ
ったとのこと。先端がやや摩耗している。
舌側遠心端の歯冠と歯根の境界付近に、
4mm×5mmの丸い溶蝕跡がある。すぐ
下の歯根にも溶蝕跡がある。虫歯か?だと
したら水族館で飼われていたのかも?歯
根も完全に残っている。歯冠の近心舌側
面が咬耗なのか滑らかに平らになり、艶
がある。下顎犬歯とこすれた跡のようだ。

世界最古のアシカ科化石
2003年、長野県安曇野市豊科、大口沢の新生代第三紀中新世の青木層(1,300万
年前)から、アシカの仲間(Otariidae)の左下顎の一部が発見された。今まで、
世界最古の化石はアメリカカリフォルニアの約700万年前の地層から発見され
たものであったが、600万年も遡り、世界最古の化石となった。
1977年、新潟県北蒲原郡笹神村の安野川において、新生代第三紀中新世の大
日層基底礫岩中の羽黒層(約800万年前)の泥岩巨礫からアシカ科の複数の骨が
発見された。骨は破片であり、属種の特定は困難であった。

福島県富岡町小良ヶ浜の新生代第三紀鮮新世の大年寺層(約240万年前)
からは、アシカ科(Otariidae)、オットセイ(Cattorhinus sp.)などの歯
化石が多数産出している。

1981年報告、新潟県小千谷市稗生、野辺川に分布する新生代第三紀鮮新
世(約200万年前)の和南津層からトドの歯や骨が産出している。新種の
オジヤトド(Eumetopias ojiyaensis)と命名された。

日本最古の現生種トド化石
1951年に報告された、石川県金沢市御所町産、鰭脚類の下顎化石は、新
生代第四紀更新世(約140万年前から約80万年前)の大桑(おんま)層から
のものだった。大桑層の上部から産出していた。下顎の特徴を調べた結果、
現生のトドの変異集団内にあることから、トド(Eumetopias jubatus)
と同定された。これまでのところ、世界最古の現生トド化石である。

アシカ科 世界最大のトド化石
2012年に千葉県市原市朝生原(梅ケ瀬渓谷)の梅ケ瀬層から、約90万
年前の巨大なアシカ科の下顎骨化石が発見された。この化石は、トドの
オスに似た特徴を示すが、現生のトドの最大個体と比較すると、約1.5倍
の大きさがある。推定体長4.9m、体重3tとなる。絶滅した種類と考えら
れる。ワタセトド(Eumetopias watasei)と命名された。アシカ科の中
でも世界最大である。千葉県上総丘陵東部の万田野層からも同種と考え
られるトド(Eumetopias sp.)の化石が見つかっている。


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